あなたは普段、どうやって「やる気」を出していますか?「お金がもらえるから頑張る」や「周囲の評価が欲しいから努力する」といった外から与えられる報酬を求める行動は「外発的動機」によるものです。一方で、「楽しいから続ける」や「達成感を味わいたいから努力する」といった、内側から自然に湧き出るやる気は「内発的動機」と呼ばれます。
やる気を高める魔法!エンハンシング効果とは?
エンハンシング効果とは?
この「内発的動機」をさらに高める効果、それが「エンハンシング効果」です。例えば、上司から「よくやった!」と褒められることで感じる達成感や、チームで目標を達成したときの満足感が、あなたの内側から湧き上がるやる気をより一層引き出してくれます。
外発的動機も重要な理由とは?
「内発的動機」があれば十分だと思われがちですが、実は「外発的動機」も内発的動機を刺激し、やる気をさらに引き上げる力を持っています。これらをうまく組み合わせることで、より強力なモチベーションを得られるのです。
注意!間違った動機づけが招く「アンダーマイニング効果」
ただし、外発的動機づけが誤った方向に進むと、逆効果となる「アンダーマイニング効果」が生じる可能性があります。例えば、報酬を重視しすぎることで、元々楽しんでいた仕事への興味を失ってしまうことがあります。
エンハンシング効果を高める4つの秘訣
エンハンシング効果を最大限に引き出すためには、以下の4つのポイントを意識することが大切です。
具体的な行動を褒める
単に「よくやった」と言うだけでなく、「このプロジェクトの企画、とても素晴らしかったよ」と具体的に褒めることで、自分の行動が評価されたと感じ、より自信を持てるようになります。
結果だけでなくプロセスを評価する
目標達成だけを褒めるのではなく、目標に向けて努力した過程も評価しましょう。そうすることで、相手は「次はもっと良い結果を出したい」と意欲を持つようになります。
間接的に褒める
直接褒めるだけでなく、他の人の前で褒めたり、共通の知り合いに褒め言葉を伝えてもらったりすることで、褒めの効果がさらに高まります。
公の場で褒める
チーム全体の前で褒めるなど、公の場で褒めることで、相手の承認欲求を満たし、モチベーションを大きく引き出すことができます。
エンハンシング効果を活かした実験例
ある実験では、子供たちが絵を描く際に、報酬を与えられたグループよりも、報酬が与えられなかったグループの方が、その後も自主的に絵を描き続ける時間が長かったという結果が出ています。このことから、報酬が目的になると、内発的な動機が損なわれる可能性があることがわかります。
エンハンシング効果で築く良好な人間関係
エンハンシング効果は、職場や家庭など、さまざまな場面で活用できます。部下や子供のやる気を引き出したい、チームワークを向上させたい、良好な人間関係を築きたいと考えるなら、この効果を意識したコミュニケーションを取り入れてみましょう。期待以上の結果が得られるはずです。
まとめ
エンハンシング効果は、単に「褒める」だけではなく、どのように、どのタイミングで褒めるかが重要です。この効果を理解し、実践することで、周囲の人々のモチベーションを高め、より良い人間関係を築いていけるでしょう。