コーチ、カウンセラー、セラピストが知っておくべき「所得税」の基礎知識

副業としてコーチ、カウンセラー、セラピストをしている方のなかには、将来、独立・フリーランスを目指している方も多いと思います。

独立・フリーランスになることで、仕事に対するやりがいや責任感もどんどん増していくでしょう。

仕事熱心な方が多いコーチ、カウンセラー、セラピストですが、お金の面の勉強は大丈夫でしょうか?

特に税金関係は苦手な方が多いのではないですか?

会社員は年末調整をすることで税金関係の処理は終了しますが、独立・フリーランスになると自分で確定申告を行わなければなりません。

確定申告は大変な作業です。

事前に基本的な税金の知識を学んでおくことが、確定申告に対する不安を和らげることにつながります。

この記事では「所得税」に焦点をあて、基本的な知識から会社員とフリーランスの所得税の違いなどを解説しています。

独立・フリーランスになったときのお金の不安を少しでも減らしたいと考えている方は、ぜひご覧ください。

 

所得税とは?

所得税は1年間の所得に対してかかる税金です。

会社員の方であれば、所得税は毎月給与から天引きされていると思います。

毎月天引きされている金額はあくまでも「仮」の金額です。

年末調整を行うことで、正確な金額を算出します。

今までに支払った金額が正確な所得税の金額よりも多ければ返還され、少なければ追加で支払わなければなりません。

フリーランスの方は年末調整の代わりに確定申告を行うことで、所得税が決定します。

所得税は働く人全員に関係する税金だということを覚えておきましょう。

所得税の計算方法

所得税はどのように計算するのでしょうか。

まずは計算式を見てみましょう。

 

(会社員の場合)

収入ー給与所得控除=所得

所得ー各種控除=課税所得

課税所得×所得税率=所得税

 

ということになります。

何のことだかさっぱり…というコーチ、カウンセラー、セラピストの方も心配いりません。

1つずつ詳しく見ていきましょう。

収入

コーチ、カウンセラー、セラピストの方のなかには、「収入」に対してかかる税金が所得税と思っている方も多いのではないでしょうか。

「収入」と「所得」は違います。

収入は会社員の方ならば、総支給の金額(額面金額)の1年間の合計です。

社会保険料や所得税などを、引かれる前の金額になります。

(手取りの金額ではありません)

年収は通常この「収入」のことを指します。

給与所得控除と所得

所得金額を計算するためには、収入から給与所得控除の金額を差し引きます。

コーチ、カウンセラー、セラピストの方は、「控除」という言葉に苦手意識がある方も多いと思います。

「控除」とは「収入」から差し引くことによって、税金を減らすことができる項目です。

よく「控除」された金額がそのまま返ってくると思っている方がいますが、あくまでも税金を計算するための項目です。

給与所得控除は、収入の金額によって控除額が変わります。

例として、年収500万円の人の給与所得控除額は144万円です。(計算式は省略します)

500万円ー144万円=356万円となり、この人の所得金額は356万円になります。

各種控除について

 

所得の金額が算出できたら、次は所得からいろいろな控除を引いて課税所得を計算します。

控除には様々な種類がありますが、ここでは代表的な控除を見ていきましょう。

基礎控除

基礎控除は所得が2,500万円以下の人に適用されます。

所得金額によって控除額は変わりますが、2,400万円以下の人は一律48万円です。

社会保険料控除

 

1年間に支払った国民年金や社会保険の金額が全額控除されます。

会社員の方は毎月会社と折半して社会保険料を支払っているので、自己負担分が控除対象です。

自営業・フリーランスの方は自分で支払った社会保険料全額が控除対象になります。

一緒に住んでいる配偶者や子どもの分を支払った場合も、社会保険料控除として含めることが可能です。

配偶者控除

 

配偶者控除は配偶者がいる人に適用される控除です。

「103万円の壁」という言葉をご存じでしょうか?

これは配偶者控除に関する言葉で、配偶者の給与収入が103万円までは配偶者控除が適用されるという意味です。

(103万円を越えると配偶者特別控除というものがありますが、ここでは省略します)

本人の年収額によって配偶者控除の金額も変わります。

先ほどの年収500万円の人の例だと、配偶者控除の金額は38万円です。

所得税率

所得から各種控除を差し引くことによって、課税所得が計算できました。

この課税所得に所得税率をかけることによって、所得税が決定します。

(住宅ローン減税などの税額控除を適用できる場合がありますが、ここでは省略します)

所得税率は、課税所得によって変わる超過累進課税という仕組みです。

課税所得が多くなるほど、所得税率も上がっていきます。

フリーランスの経費とは

 

会社員の方は給与所得控除という必ず差し引かれる控除がありますが、自営業者・フリーランスの方は「経費」という名目で控除を受けることができます。

「経費」とは事業をするうえで必要になった費用です。

独立・フリーランスを目指すコーチ、カウンセラー、セラピストの方にとっては重要な項目になります。

しっかりと把握しておきましょう。

コーチ、カウンセラー、セラピストの経費になるもの

 

 コーチ、カウンセラー、セラピストの方が独立・フリーランスになるとどのような経費が発生することが予想されるでしょうか?

代表的なものを見ていきましょう。

(経費の判断は最終的に税務署が行います。ここであげるものが必ず経費になるわけではありません)

独立するために使ったお金

独立・フリーランスになるために消費した金額は、「開業費」として経費扱いになります。

コーチ、カウンセラー、セラピストとして独立・フリーランスになるには、事前の準備が必要になるでしょう。

例えば

・サイト開設のためのサーバー代

・名刺の作成費用

などがあげられます。

この他にも「開業費」になるものはありますので、気になる支出はチェックしておきましょう。

カウンセリングを行う場所代や交通費

コーチ、カウンセラー、セラピストとして独立・フリーランスになったら、クライアントとのミーティングがあると思います。

ミーティングで使用する場所の費用や、そこへ行く交通費は経費として落とすことが可能です。

自動車で移動した場合は、ガソリン代も対象になります。

業務を行うには必要になる費用ですので、忘れずにチェックしておきましょう。

業務の宣伝のための費用

コーチ、カウンセラー、セラピストの業務を宣伝するために、チラシやポスターなどを制作することもあるでしょう。

チラシ・ポスターなどの制作にかかった費用は「広告宣伝費」として経費扱いされます。

ネット上に有料の広告を掲載したときなども、「広告宣伝費」としての処理が可能です。

業務を行う上で大事になる宣伝も、経費になることをしっかり覚えておきましょう。

まとめ

所得税は収入を得ている人であれば、必ず発生する税金です。

会社員の方は年末調整で処理されているので、今まで特別に意識したことがない方も多いかもしれません。

ですが、個人で事業を営もうと考えているコーチ、カウンセラー、セラピストの方にとっては、収入に直結するとても大事な税金です。

所得税の基本的な知識をしっかりと学び、安心して業務を行いましょう。

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