エサレン研究所
エサレン研究所は、アメリカのカリフォルニア州・ビッグサーという海岸沿いにあり、「人間の潜在的可能性を探求する、滞在型の宿泊施設」として1962年に誕生しました。
ビックサー(Big Sur)は、アメリカ、カリフォルニア州の太平洋沿いに144kmに渡るドライビングロードです。太平洋と山脈の絶壁の間に続く国道一号線からは、美しいオーシャンビューが広がります。
研究所は、ここでボディワークを始め、心理学、ヨガやダンス、太極拳、音楽、アートなど様々なワークショップが開かれ、世界各国から集まった人々が学んでいます。
「エサレン」という名前は、この地に暮らしていたネイティブ・アメリカンである、エサレン(エスリン)族の名をとって命名されました。
エサレン研究所の始まり
研究所の始まりは、スタンフォード大学時代に友人同士であったリチャード・プライスとマイケル・マーフィーです。2人は豊かな家の出で、
マスコミがビート世代と呼ぶサブカルチャーに親しんでいました。
2人とも心理学科の卒業生で、出会った時には世間をドロップアウトし、瞑想をしながら東洋の宗教を学んでいたところ出会い、 東洋と西洋の様々な考え方を取り入れながら、『文化や習慣にとらわれず、私たちが本来、潜在的に持っている可能性を伸ばしていくことができるか』ということ(人間性回復運動=ヒューマン・ポテンシャル運動)を探求する滞在型コミュニティーセンターをこの地に立ち上げたことに始まります。
以来、多くの哲学者や文学者、心理療法家、身体技法研究家、アーティストなどが研究所を訪れて交流し、様々な実験的・体験的なワークショップが繰り広げられるようになりました。
エサレン研究所の広がり
1966 – 67年には、カリフォルニアには変革を予感させる空気が漂い、エサレンは世間に知られるようになってきましたが、その影響はカリフォルニアが中心で、全国的な支持は得られていなかったのですが、エサレンをモデルにした「成長センター」がこの頃生まれ、そのような背景がありエサレンの活動は爆発的に拡大することとなりました。
創立から 50年以上経った今も、東洋と西洋、古代と現代、科学と宗教、学問と芸術の統合などについて探求し、数多くの哲学者、文学者、心理学者、アーティスト、ボディーワーカーたちが集まり、
ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメント(人間の潜在的可能性)を根底にボディ・マインド・スピリットを総合的に探求するセンターとして機能しています。
さまざまなセラピーやボディーワークを通して人間の潜在能力の覚醒を目指す心理療法・身体開発の場を提供しているということで、日本のファンも多いことで有名です。
エサレン研究所とコーチング
コーチングも、色々と流派がありますが、一つの流派としてエサレン研究所での潜在能力開発実験から始まっており、コーチングをビジネス領域に用いたのもエサレン関係者です。
ここで多くの人物が学びかかわりあうことでコーチングを体系づくり、コーチングが広く普及していくことになります。
エサレン研究所に滞在した心理療法関係者
- フリッツ・パールズ(ゲッシュタルト心理療法の創始者、NLPのモデル)
- バージニア・サティア(家族療法家、NLPのモデル)
- ミルトン・エリクソン(現代催眠の父、NLPのモデル)
- グレゴリー・ベイトソン(文化人類学・精神医学の専門家、NLP創始に影響)
- アブラハム・マズロー(人間性心理学とトランスパーソナル心理学の創始者)
- アーノルド・ミンデル(プロセス思考心理学の創始者)
- カール・ロジャース(臨床心理学者/クライアント中心療法の創始者)
- ロロ・メイ(精神科医)
- アイダ・ロルフ(ストラクシュアル・インテグレーション=ロルフィングの創始者)
- シャーロット・セルバー(センサリー・アウェアネスの創始者)
- フレデリック・M・アレクサンダー(アレクサンダー・テクニークの創始者)
- モーシェ・フェルデンクライス(フェルデンクライス・メソッドの創始者)
- ミルトン・トレガー(トレガー・アプローチの創始者)